内部が陽圧の場合、内部で循環のみをさせる場合、陰圧の場合、パーティクル数はどう変化するのでしょうか?

簡易クリーンフードを使った実験と実際の作業室での実験についてまとめてみました。
アクリル製フード(W700×D500×H600mm)に、CS-CUTE-01A、03A を搭載し、内部を陽圧・内部で循環のみ・陰圧状態にし、それぞれパーティクル数の変化を測定しました。
通常、クリーンルームやクリーンブースは陽圧状態で使用します。では、同じ風量を内部で循環させる場合は陽圧状態に比べて、どんな傾向が出るのでしょうか?また、室内からの排気が多い場合には内部は陰圧になってしまいます。その場合、清浄度に変化は出るのでしょうか?実験してみました。
実験の写真
@CS-CUTE-03A 陽圧 ACS-CUTE-01A 循環 B陰圧 CCS-CUTE-03A 中性能
【実験1 陽圧・循環・陰圧状態でのパーティクル数の変化】

CS−CUTE−01A(定格風量:0.8立米/分)、CS−CUTE−03A(定格風量:3.2立米/分)とアクリル製のクリーンフード(W700×D500×H600mm)を使用し、陽圧・循環・陰圧状態でのパーティクル数の変化を測定します。 *いずれも60Hzでの数値。
◆実験の結果(グラフをクリックすると拡大します。)
0.5μmのパーティクル数の変化 5.0μmのパーティクル数の変化
【実験1の条件】

陽圧:上記のアクリルフードの天井部分にCS−CUTE−01A、または03Aを設置し、ファン起動2分後から10分後までのデータを測定する。※写真@を参照。※CS−CUTEシリーズは背面よりエアを吸い込み、HEPAフィルターでろ過したクリーンエアを下面より吹き出すので内部は陽圧になる。
循環:アクリルフード内にCS−CUTE−01A、03Aを設置し、ファン起動2分後から10分後までのデータを測定する。※写真Aを参照。※クリーンエアは内部で循環するのみで室圧は変化しない。
陰圧:アクリルフードの天井にさかさまを向けてCS−CUTE−01Aを設置し、CS−CUTE−03Aは内部で循環させ、、ファン起動2分後から10分後までのデータを測定する。※写真Bを参照。CS−CUTE−01Aは内部のエアを外へ吐き出すので、内部は陰圧状態になる。
パーティクルカウンターはリオン製KR−12Aを使用。測定中は無負荷。
※今回は差圧計による室間差圧の測定はできませんでした。
※パーティクル数はキュービックフィートあたりの換算値


【実験1の結果と考察】
アクリルフードの容積に対するFFUの風量は、CS−CUTE−01Aでは1時間あたりで229倍(換気回数229回/h)、CS−CUTE−03Aでは914回で、だいたいクラス100程度は楽に実現できる風量です。
まず、陽圧状態にすると、どちらのユニットも3分後ごろからパーティクルは検知しなくなります。しかし、循環状態では01Aユニットでは6〜7分後までゆるやかに減少し、その後、安定状態に入っても若干のパーティクルは検知して、なくなることはありませんでした。陰圧状態では、0.5μm5.0μmの場合ともほとんど変化がなく、気持ち減ったかな?という程度です。

このことから、クリーン機器設置の場合には、陽圧状態を作り出すことが一番効果的だといえます。循環するだけでは、安定したクリーンエリアを作ることができるかどうか、不安が残ります。陰圧状態ではいくらクリーンユニットを回してもそれほどの効果は見込めません。
また、実際のクリーンルームの場合、ほとんどが陽圧管理をされていると思いますが、陽圧状態をキープできないと、著しく性能が落ちることを認識する必要があるといえます。
【実験2 中性能フィルター・HEPAフィルターの陽圧・循環・陰圧状態でのパーティクル数の変化】

CS−CUTE−03A(定格風量:3.2立米/分) で中性能フィルターとHEPAフィルターを乗せ替え、同じフードで陽圧・循環・陰圧状態でのパーティクル数の変化を測定します。*60Hzでの数値。
◆実験の結果(グラフをクリックすると拡大します。)
0.5μmのパーティクル数の変化 5.0μmのパーティクル数の変化
【実験2の条件】

実験1の追加実験として、CS−CUTE−03Aで中性能フィルターとHEPAフィルターを乗せ替え、同じく陽圧・循環・陰圧状態でのファン起動2分後から10分後までのデータを測定する。※写真Cを参照。※中性能搭載CS−CUTEの詳細 
パーティクルカウンターはリオン製KR−12Aを使用。測定中は無負荷。
※パーティクル数はキュービックフィートあたりの換算値

【実験2の結果と考察】

0.5μmのパーティクル数の変化を見ると、HEPAフィルターの場合は、3分後からほとんど測定しなくなりますが、中性能フィルターの場合は3000個前後で安定し、陽圧・循環の差はそれほど見られません。陰圧の場合は5000個前後で推移しています。陰圧状態のほうが数値は多くなっていますが、どちらも変化が見られないことには変わりありません。中性能フィルターでは0.5μmパーティクルでの捕集値を規定していませんがそれを裏付ける結果となっています。
また、5.0μm粒子を見ると、今度は中性能での循環の場合と陰圧の場合が同じような数値になっています。中性能フィルターはミクロンオーダーの粒子捕集には効果があるといわれています。しかし、使い方としては、やはり陽圧にしなければそれほどの効果はないといえそうです。

その2 〜実際の作業中現場での実験〜 
実験BOXでの実験の結果は、実際の作業中の現場でも再現されるのでしょうか?あるユーザー様の工程で実験させていただきました。
【実験を行った作業室について】
下のレイアウト図のように、既設部屋をビニールカーテンで仕切り、作業台の上にCS−CUTE−03Aを搭載した簡易クリーンベンチが10台設置してある部屋で、10名の作業員がクリンウエアを着用し座り作業を行っているところで実験を行った。
この部屋の天井には換気扇が2基、また、4方に吹き出す埋め込み型エアコンが1基あった。
レイアウト図
【実験の条件】

陰圧・循環・陽圧の3つの状態のときのパーティクル数の変化を測定する。

陰圧:通常の状態では、CS−CUTE−03Aにより、毎分あたり、約3×10=約30立米のクリーンエアが供給されている。しかし、換気扇が2台あり、部屋全体としては毎分約5立米程度の陰圧状態である。

循環:そこで、一時的に換気扇をストップして測定した。この場合は循環のみとなる。

陽圧:換気扇を止めた状態で今度はCS−CUTE−05Aをカーテン越しに設置し、内部にクリーンエアを送り込むようにした。これで、内部は陽圧状態になる。

※それぞれをパーティクルカウンター KR−12Aで1分間で0.1キュービクルフィートづつ5回(インターバル1分間)測定し、変化を見た。

【実験の結果と考察】

既設の建物をパーテーションなどで区切って使用する場合、この実験の部屋のように、換気扇によって陰圧になっている場合が多いようです。人間には酸素が必要ですから、その供給のための一番簡単な方法は「換気をする」というわけです。
実際に測定してみると、室外は0.5μm/CFで40万個以上のカウントに対し、10〜30万個程度の幅で動いている様子でした。外よりは若干よい数値ですが、安定せず、幅も大きいように思います。しかし、陰圧でなければ換気回数でいえば約23回/時のクリーンエアを供給しており、クラス10万が実現できる状態のはずです。もちろん、簡易クリーンベンチ上は十分な清浄度が保たれているのですが・・・。
次に、換気を止めるとたちまち清浄度はよくなりました。10分間、一様に右下がりの数値になりました。しかし、長く作業をしていると酸素不足のため作業員の方の健康が心配になります。
そこで、換気扇を止めた状態で簡易的に陽圧にするため、カーテン越しにCS−CUTE−05Aを設置しました。すると、数値はさらによくなり、1CFあたり1万2千個程度で安定しました。CS−CUTE−05Aで外気を供給するため、酸素不足にもなりません。
もともとこの作業室には、本格的なクリーン機器は使用されていません。間仕切りの帯電防止ビニールカーテンとCS−CUTEがあるだけです。それだけに陰圧状態ではよい数値は出せませんが、陽圧状態にする工夫を行えば、より清浄な状態をキープすることができるようになるということが分かりました。

※エアコンのON/OFFによる変化はここでは実験しておりません。
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