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ゾーニングのためのアイテム「エアシャワー」

エアシャワーのあるべき姿(機能編)

エアシャワーを使用する業種が多様化する一方で、残念ながらエアシャワー自体は従来通りの仕様で大きな進化を遂げていません。しかし、ターゲットとする異物を絞り込み、それに応じた機能をプラスすることで除塵効率が上がり、俗に「最後の砦」と称されるように、クリーンルームに持ち込まれる塵埃の防止に大きな役割を果たします。

シーズシー推奨の追加機能

  • 天井層流吹き出し
  • 天井ジェット吹き出し
  • 床面吸引式
  • 中性能フィルター
  • 除電機能

それでは、これらの機能は多様化する業種の中で【どの機能が、どのような業種に適しているのか】を表①にまとめました。

エアシャワー
業種別によるエアシャワー適正機種

天井層流吹き出し&天井ジェット吹き出し

半導体など対象異物が微粒子等の業種においては、対象が浮遊塵埃のため側面からのジェットエアーと天井層流の仕様が最適です。電子部品やフイルム加工等は、対象が粗粒子とは言え比重が軽く、エアシャワー中やエアシャワー後に塵埃が上部に浮遊するため、天井層流式が効果的です。
食品に関しては、頭部についた毛髪をジェットで飛ばすことを考慮して、表①では△(やや効果あり)にしています。

天井層流式の効果

層流式の有/無では、どう違うのか実験してみました。
実験方法は、同じ仕様のエアシャワーを2台用意し、片方に天井ジェット吹き出し(パンカー)仕様、もう片方に層流用のCSバルーンをパンカーに取り付けた層流吹き出し仕様にし、H1700の位置で0.5μの粒子を所定間隔にて測定しました。
結果を表②にまとめています。

天井層流式の有無

結果、表②の通り天井層流式と天井ジェット吹き出し式では、測定結果が大きく違います。天井層流式のほうが圧倒的に早く除塵できます。FFUの吹き出し口に取り付けるCSバルーンが、エアシャワーでも効果を発揮することがわかりました。
一見すると、天井ジェット吹き出し式は天井に吹き出し口が付いて喚起しているように思うのですが、吹き出すと同時に舞い上り塵埃を上部に戻す気流が生じた為、上記のような結果となりました。

CSバルーン有無の違い イメージ図
FFUの吹き出しに取り付けたCSバルーン
CSバルーン  ネットショップにて販売中

床面吸引式

次に、床面吸引方式は吸引口が床面にあり比重の高い塵埃を吸引できるため、靴底に再付着した持ち込み塵埃を低減することができます。従って、比重の高い毛髪等が対象となる食品関係には、効果が大きいでしょう。
さらに、靴底ブラシを併用することにより靴底の除塵も可能になり、床面から直接吸引されるので、ブラシで掻き出された塵埃は周囲に飛散することなく効果的に吸引されます。


ブラシ付き床吸い式

中性能フィルター(MEPAフィルター)

エアシャワーに内蔵する2次フィルタ-に関しては、食品関係のように対象物の粒子が大きく比重の高い塵埃の場合、ある程度の風速が必要(特に綿生地の場合)になるため中性能フィルターがお勧めです。

エアフィルター エアフィルター ネットショップにて販売中

除電機能

除電機能(イオナイザー)内蔵は、静電気付着ESA(Electrostatic Attraction)に大きな効果があります。静電気が原因で付着している塵埃を除電して剥離し、再付着しにくい状態でジェットエアーを使用するため効果がみられます。

エアシャワー内の除電装置
除電装置

近年、クリーンルームの多様化に伴い、半導体のみならず様々な業種の生産現場でエアシャワーが取付けられるようになりました。しかし、業種に合わせて機能を選択することが、『エアシャワーのあるべき姿』であると考えます。


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