エリアに合わせたクリーン空間を構築する
クリーン化機器 FFU(ファンフィルターユニット)
FFU(ファンフィルターユニット)とは??
FFUとは、FAN(ファン) Filter(フィルター) Unit(ユニット)の略です。その名の通り、ファンとフィルターをセットにパッケージした商品の総称であり、クリーン化には欠かせない
空気清浄機能を担う装置です。シーズシーでは、主にメインフィルターをHEPA(へパ)フィルター(0.3μm径のPAO粒子を定格風量で通した時、99.97%以上を捕集するフィルター)を搭載したFFUをラインナップしております。
シーズシーのラインナップ
NSF / CUTE シリーズ
大型FFU
大風量を処理するための大型FFU群。室内の陽圧化・陰圧化、清浄空気による換気数の確保、乱流希釈式による室内のクリーン化など目的で使用される。CCP-60では加湿機との併用も可能。処理風量17,30,60立米/分の装置を標準機としてラインラップ。※他の風量でも対応可能な場合がございます。
- シロッコFFU
- クリーンパッケージユニット(CCP-60)
- 陽圧ラクダ
クリーンウォール
自立パネル型FFU。厚みが少ないので省スペースによる設置可能。清浄空気を供給する給気タイプと吸い込んだ空気を清浄化して排出する排気型の2タイプがあります。この2種を組合せてPush-Pullの水平気流を作り出せるのが最大のメリット。また、単独でも給気型では既存のデスクと合わせて簡易クリーンベンチとして。排気型は簡易集塵機としてクリーンルームのホコリを発生させる工程(エアーガンでの除塵など)の回収用途として使用できます。
FFUの選び方 【換気回数と気流形状】
FFUは各種ありますが、クリーンルームまたは局所的なクリーンエリアを構築するために使用します。 使用のガイドラインはJIS B 9919「クリーンルームの設計施工及びスタートアップ」という規格の附属書に明記されており、 それに沿って必要な風量のタイプをチョイスして設置します。
JIS B 9919による清浄度クラスと換気回数
清浄度 換気回数 気流形式
クラス6(1000) ・・・30~90回/時 非一方向流式または併用式
クラス7(10000) ・・・20~40回/時 非一方向流式または併用式
クラス8(100000) ・・10~20回/時 非一方向流式または併用式
※( )は相当するFED-209D規格の清浄度クラス。シーズシーによる付記。
※占有状態は通常運転時。
※換気回数とは対象の部屋を供給する清浄化空気で1時間当たり何回換気できるかを表す数字。~回/時。
例えば、3×3×2(高さ)mのクリーンブースを設計する場合、容積は18立方mです。 ここをクラス7にする場合は、18(立法m)×40(回)÷60(分)=12(立法m/分=CMMと略します)となりますので、
ここでは、風量が12.5CMM(強運転時)のCS-CUTE-13C×1台を選べばよい、ということになります。
また、同規格には気流形式も表記されています。クラス5以上の高清浄度の場合、一方向流式が採用されますが、クラス6以下では非一方向流式または併用式が採用されます。クラス6以下で採用されている非一方向流式は別名乱流希釈式とも呼ばれ、汚染粒子は室内に一定時間滞留しながら徐々に希釈されていくという方式です。
シーズシーでは低コストな非一方向流式でも製品を汚染させないように先述の JIS に定められている換気回数に頼るのではなく、装置や作業レイアウトを考慮したFFUの配置、層流性を高める給気方法等様々な状況を踏まえてお客様にとってベストなご提案を致します。
対象が浮遊微粒子でなく粗大粒子であっても併用式の有効性は確認できます。
※粗大粒子は堆積するので、非一方向流だけでは汚染リスクが高くなると想定しています。
FFUの使い方① 【設置】
クリーンルームで多用される文言で、清浄エリアの圧力が周囲の空間より高いことを指します。
FFUは天面の開口部から吸い込み、下部に取り付けられたHEPAフィルターより給気する仕組みです。
クリーンルームやクリーンブースの天井に開口部を設け、そこにFFUを設置します。そうすることでFFUはルーム・ブースの外の空気を吸い込み、内側に清浄化した空気を供給します。
これにより、空気は清浄エリアから常に周囲に向かって流れる為周囲からの塵埃の逆流を防ぐことが出来るということです。
しかし、ひとえに陽圧空間を作るといっても、条件によってFFUを設置する台数などが大きく変わってまいります。
単純に陽圧空間を創出するという条件においては、仮に10m×10m×H2.5mの大空間であっても極めて気密性の高い部屋であればFFU1台でも陽圧化は可能です。
一方、2m×2m×H2mの狭いエリアでも大きい開口部を有していたり、気密性が低い場合には、陽圧をかけるには複数台FFUを必要とする場合がございます。
FFUの使い方② 【使用事例】
クリーンブース・クリーンベンチの自作・内作
10数年前まではクリーンベンチやクリーンブースは非常に高価な装置でした。半導体業界をターゲットとして製品が主流だったので、その他の業界ではほとんどオーバースペック気味のものがほとんどでした。しかし、今やFFUを購入すれば、自社内でクリーンブースやベンチを立上げることが可能になっています。多くの場合、原理原則が分かればそれほど難易度が高いものではありません。多目的型FFUであるNSFシリーズのページには取り付け方やメンテナンスについての解説も掲載しています。清浄度を必要とする重要な工程に、製品の保管や搬送時の清浄化に、あるいは工場内の空気清浄機として、様々な使用目的に使用可能です。
自社製造装置への搭載
セットメーカー様には自社製造装置への搭載のお手伝いをさせていただきます。クリーン化ニーズの高まりに合わせて自社装置のクリーン化のためにFFUを搭載されているケースは多いと思います。シーズシーでは、そのようなセットメーカー様のために図面提供はもちろん、安心してご使用いただけるためのメンテナンス・部品提供のための資料も準備させていただいております。その他、装置に合わせて機器の選定のためのご相談に応じております。
難易度の高い設置環境への応用
かってFFUを購入したことがあるが、思ったほど効果はなかった・・・どのようにクリーン化エリアを構築してよいのかわからない・・・このようなお声も多いかと思います。樹脂塗装、スクリーン印刷など、排気を伴う工程では気流の制御も重要になってきます。静電気による付着が多い工程も難しいですよね。あるいは食品・化粧品などの充填工程も難しさがあります。そんな時は、商品のお問合せと同時にシーズシーにお気軽にご相談ください。専門のスタッフが設置方法についてアドバイスさせていただきます。
伝統工芸の匠や趣味の世界へも
漆塗りなどの現場でもホコリ対策に困っている、植物の栽培用途に使用したい、プラモデルの塗装がホコリだらけになる、個人宅の塗装工事でクレームを受けた・・・など、様々な用途でシーズシーのFFUはご使用いただけます。通常の対策では難しいホコリ対策用途に!
陰圧室でも使用可能
感染症対策や粉塵の排気などで使用する場合は排気用としてFFUを使用
することが可能です。
FFUの使い方③ 【ここは注意したい!】
大原則
「対象物をFFUに対して上流側に設置する」FFUは清浄化された風を供給する装置です。しかし、対象物との間に発塵源があるのであれば、単にホコリを吹き付ける装置になってしまいます。なので、対象物との間には発塵源(人間もそうです)が来ないように設置しなければなりません。
気流にご注意
FFUの風速は大変緩やかで手をかざしても感じるか感じない程度です・・・なんて思うのは人間の感性。微小なホコリからすれば、台風並みの威力があります。FFUの風に乗ってもホコリは舞うのです。気を付けなればならないのが、床から跳ね上がる気流。ホコリの乗せたまま、装置や棚、人にまで駆け上ります。FFUの風速、床や壁に当たるまでの距離、対象物の配置など、十分に考慮して設置しなければ思わぬリスクが発生することもあります。
FFUの吹出し口付近では誘引気流が発生します。
誘引気流とは吹き出し口付近で円を描くように動く気流のことを指します。そして、ホコリがこの誘引気流に乗って滞留します。
また、特に気を付けなければならないのが床から跳ね上がる気流です。ホコリを乗せたまま装置や棚、人にまで舞い上がります。
FFUの風速、床や壁までの距離、対象物の配置などを十分に考慮して設置しなければ思わぬリスクが発生することがございます。
そこでシーズシーではFFUの気流風速を落としつつ、拡散させることで 舞い上がり気流を抑えるCSバルーンをご用意しております。 これを用いることで同じFFUを使っても清浄度が大きく変わってきます。
一般の空気清浄機との違い
シーズシーで販売しているFFUと一般家庭で使われる空気清浄機との違いは微粒子専門である、ということです。 一般家庭用の空気清浄機ではウィルス、ダニ・カビなどのアレルギー源、VOCなどにも対応するフィルターが搭載されていることが多く、
微粒子自体はさほど重要視されていない場合がほとんどです。微粒子に対応すれば、一般環境ではすぐに目詰まりを起こしてしまいます。 逆に言うと、FFUは一般環境の諸問題の解決には不向きで微粒子・ホコリ対策に対して非常に有効ということになります。
中小企業様向けのお得な情報
シーズシーが推奨する「CSバルーン式クリーンブース(鋼板製/パネル式)」が、生産時の立ち上がりスピードが早いことから
【中小企業等投資促進税制】の規定である
「生産性向上」に値するとみなされ、本税制度の対象となりました。
適用期間内に適用対象法人が対象設備を取得すれば、【特別償却】または【税額控除】が適用されます。これを機にCSバルーン式クリーンブース導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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