第1部 なぜ、クリーン化が必要なのか? |
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第2部 クリーン化のために現場で守りたいこと | ||||||||||||
クリーンルーム化ニーズの拡大 近年、さまざまな業界でクリーン化のニーズが拡大しています。また、そのほとんどが、クラス1万程度のクリーン化を想定しているのも大きな特徴の一つです。しかし、半導体産業などでは「クリーン化専任担当者」がいても、中小規模の工場や、新規にクリーン化のニーズがある工場などではなかなか専任担当者まで置く余裕がないのが実情です。この場合、現場担当者が発生するさまざまな問題をクリアし、クリーン化を進めなければなりません。このページはこのような場合のクリーンルーム管理者の方へのメッセージです。 |
クリーン化ニーズは 様々な業種・業界に拡大 |
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なぜ、クリーン化が必要なのか~クリーン化のメリット そもそも、なぜ、直接、ものを生産しない「クリーン化」を導入するのでしょうか?そのメリットはどこにあるのでしょうか? その答えは、エンドユーザーや消費者に与える「品質への安心感、企業への信頼感」 であり、良品率の向上であると考えています。よく「クリーン化には終わりがない」「効果が分からない」と言われますが、そんなことはありません。ただし、費用対効果をしっかり把握することは必要だと思います。 |
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クリーンルームで作られたものへの安心感・信頼感 これも最近の傾向ですが、クリーン化は広告宣伝にも盛んに使用されています。消費者・クライアントへの安心感・信頼感を生み企業のイメージアップにつながっているようです。 逆にこれも最近話題の偽装問題など、直接クリーン化に関係ないにしろ、工場内のずさんな管理が問題になると企業にとっては大きなイメージダウンにつながってしまいます。 |
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クリーンルーム規格の重要性 例えば、「きれいな工場」と言えば、それは主観的な言い方です。それに対して、「ISO規格14644-1のクラス7での管理」と言えば、国際的な規格にのっとって管理されているわけですから同じ規格を知っている誰が見てもそれと分かる非常に客観的な意味を持つことになります。だからこそ、クリーンルーム規格で運営管理される工場で作られたものが安心感・信頼感を生みだすのです。 クリーンルーム規格の重要性はここにあると言えます。 参考ページ: |
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良品率の向上 クリーンルームとはかけ離れた一般環境の工場でもゴミによる不良は以前からありました。それを取り除くことで良品率はアップします。 特に塗装、蒸着、コーティング、ラミネート、露光、精密印刷、接着、貼り合わせ、重ね合わせなど後戻りができない工程ではクリーン化の実現が良品率にとって重要となります。 |
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歩留に影響するゴミ クリーンルーム規格が重要だと書きましたが、これはもとはと言えば「半導体」など一部の産業を対象として作られています。よって、現在のように多様なクリーン化ニーズにすべて答えるようには作られていないというのが実情です。先に挙げた工程の場合にもクリーンルーム規格では取り上げられていない大きさのゴミ(異物)が対象となる場合が多々あります。と言っても目に見えるか見えないかの非常に小さなものです。どのような大きさのゴミが歩留に影響するのかを把握することも重要です。 参考ページ: |
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良品率向上のために 良品率に影響する異物(ゴミ)はクリーンルーム内でも発生しますし、また、いろいろな形で持ち込まれます。これを如何にワーク・プロセスに近づけないようにするか。 まずは、(不良の原因となる)ゴミの発生源を知ること、そして、ゴミの除去方法を知ること。 そして、それを防ぐために効率的にクリーン化機器をラインに配置し、日常管理を徹底することが大切です。 |
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ゴミはどこから来るのか 様々な工程にはそれ独自の原因がある場合がありますが、代表的なものをまとめてみました。
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交差汚染(クロスコンタミネーション) 別の場所で発生したゴミや汚れが、クリーンルームの清浄度にほとんど影響を与えずに、別の場所やワークに直接影響してしまうような現象は交差汚染(クロスコンタミネーション)と呼ばれていて、対策が難しいとされています。 例えば、作業員が近くを歩いただけでゴミがワークに付着することもあります。この対策にもゴミの発生源を知ること、そして、ゴミの除去方法を知ることが大変重要です。 |
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クリーンルームの4原則 良品率を上げるためにはクリーンルームの維持管理が何よりも大切です。これはゴミとの戦いと言っても過言ではありません。とにかく、油断するとどこからか発生します。困ったときには基本の「クリーンルーム4原則」に従って対策をすることが一番です。
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クリーンルーム4原則イメージ図 |
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第2部 クリーン化のために現場で守りたいこと |
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前室の重要性 クリーン化の維持管理のためにもっとも重要な管理区域はもちろん、プロセスコアと言われるもっともクリーン化が必要なプロセスですが、その次に大切なのはクリーンウエアに着替える更衣室、もしくは前室であると考えます。 なぜなら、前室はクリーンゾーンとダーティゾーンが交わるところだからです。ここには常に一般環境からのゴミ・ホコリが多く持ち込まれています。そのゴミ・ホコリをできるだけ付着させることなく、クリーンウエアに着替え、クリーンルームに入室しなければなりません。 常にゴミ・ホコリが持ち込まれるのですから清掃の頻度も高くする必要があります。 |
前室のイメージ図:
クリーン化のグラフ・標語 大きな姿見 クリーンロッカー・すのこ・粘着マットなど |
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前室の注意点 前室のもっとも重要な役割はクリーンルームと一般環境の区切りとなることです。まず大切なのは、クリーンウエアや手袋、マスクなどクリーンルームで使うものはクリーンロッカーなどで清浄性を保った状態で保管しなければなりません。 逆に一般環境で着用した上着や靴は汚れが拡散しないように保管します。汚染が広がらないように中間地帯を設けることも有効で、市販のすのこがよく使われています。着替える時に出るゴミはすのこ下に落下するので、拡散しないように粘着マットなどを敷くとよいと思います。 また、正しくクリーンウエアを着用しているか確認するために大きな姿見も必須です。 さらに作業員の意識を高めるために「クリーン化標語」「清浄度を記録したグラフ」などを配置するとよいでしょう。 最近は簡易的なクリーンエリアとしてポンとクリーンブースを単独で置いて使用されるケースもありますが、前室の無い状態での使用はクリーン的に見れば非常に不安定と言えるでしょう。 |
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原材料・副資材の持ち込み 同様に原材料や副資材のクリーンルームへ搬入する場合にも注意を払う必要があります。特にフィルムで梱包してあるようなものは静電気による付着が懸念されます。また、そのフィルムを剥がすときには剥離帯電が発生します。このとき、エアシャワーを使うと効果的ですが、静電気で付着したものは必ずしもエアシャワーのジェットエアでは落ちないのでご注意ください。 |
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靴底の汚れ・床の汚れ 1μmよりも微小なパーティクルは気流滞留域でも落下せず、常に浮遊していますが、それよりも大きな粒子はストークスの終末速度により、上昇気流がなければごくゆっくりと落ちてきます。結局はこのゴミ・ホコリは床にたまるのですから、床の清掃は非常に重要です。その状況を間接的に知ることができるのが靴底の汚れ。ある会社では更衣室ではクリーンシューズの底を上にして(見えるようにして)保管しているとか。 この床の清掃確認にはクリーンルームライトが大変有効です。 |
粘着マットを有効に使いましょう |
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アイビーキャッチャー・粘着マット アイビーキャッチャーも粘着マットもそれ自体がゴミ・ほこりを完全に除去することは難しいと思います。しかし、付着ゴミを確認することで「持ち込みを防ぐ」ということが見て分かり、作業員の方のゴミ対策の意識向上に役立つと思います。 |
アイビーキャッチャーで髪の毛をキャッチ 繊維くずも結構取れます。 |
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動線・区画を守る クリーンルームの中にもエリア分けを行い、異なる清浄度の部屋を行き来する場合があります。その際もゴミが高い清浄度の部屋に持ち込まれるケースがあります。 対策としてもっとも有効なのが、完全に動線を区切り、区画ごとに入室の決まりを作ることです。 |
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ゴミは速やかに除去する クリーンルームの4原則の中でひとつだけ、「ゴミを速やかに除去する」と修飾語がはいっているものがあります。 なぜ、除去するだけでなく、速やかに除去するなのでしょうか?それは、ゴミ・ホコリはわずかな気流にも乗って拡散するからです。特に非一方向流で作られたクリーンルームでは気流自体が大きく部屋を循環しているのでゴミ・ホコリも時間とともに拡散していきます。拡散してしまえば、そもそもどこから発生し、どうしてここにあるかということも非常に分かりにくくなります。拡がってしまう前にゴミは速やかに除去すべきなのです。 |
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