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クラス1万ユーザーのためのクリーン化ロードマップ

クリーン化ロードマップとは?

クリーン化ロードマップ 近年、わが国ではクリーン化ニーズが様々な業界の様々な工程で拡大する傾向があります。
しかし、例えば、パン屋さんがパンを焼く装置を購入すれば、パンの生産量は増えるでしょうが、エアシャワーを設置しても直接的に生産が上がるわけではないのです。
それにもかかわらず、品質に対する企業の姿勢が対外的な信頼・安心につながるとしてクリーン化導入が評価されています。さらに厳しい国際競争に勝ち抜くためには極限までの歩留まりを確保しなかればなりません。このあとわずかの歩留まり向上に効くのがクリーン化です。
それでは、パン屋さんが半導体工場ののようなクリーンルームを持ったとしてペイするでしょうか?答えはNO。膨大な運転費用がかかりますので、まったく合わないでしょう。また、製品の性質上半導体のような清浄化は必要ないものと思われます。言うまでもなく、クリーン化を行うには適切な費用対効果を見極めなければなりません。それには現状分析と進むべき道を記した「ロードマップ」が必要ではないかと感じています。この「ロードマップ」はクリーン関係の業界団体が定めたものではなく、あくまでシーズシーが提唱する仮説の域を出ませんが、クラス1万環境を目指すユーザー様のひとつの目安にしていただければ幸いに思います。

【ロードマップの使い方】

クリーン化を進めていく上で問題なのが、費用対効果が見えにくいこと。一般的に清浄度評価方法はクリーンルームの規格にもあるので導入しやすいが、ワークにゴミが付着することで歩留が低下するとすれば、これはいくら室内の清浄度を上げてもよくなるとは限りません。そんなときにどんな対策をとればよいか?どんな注意をすればよいかをこのロードマップでは4つのSTAGEに分けて、以下の項目について説明しています。

1)導入企業のメリット
2)このSTAGEでの重要事項
3)クリーン機器(クリーン化)
4)クリーンルームグッズ(クリーンの維持管)
5)(クリーンの)測定・評価ツール

【クリーンルーム管理者のために】

特にスタートアップから、「クリーンルーム内のゴミの発見」に至るステージを対象にクリーンルーム管理者のためのページを別途作成しました。また、第2部として現場で注意したいことにも触れています。
 詳しくはこちらクリーンルーム管理者のために

【排気のある工程でのクリーン化】

排気のある工程ではこのページにあるような陽圧クリーン化は難しいことがあります。しかも、近年特にクリーン化が必要とされる、塗装・コーティング・ラミネート・精密印刷・樹脂成形などの工程ではこの要件に当てはまるものが多いのです。
このページでは、排気のある工程での対策方法について考えてみます。
詳しくはこちら排気のある工程でクリーン化
クリーン化ロードマップ
※クリックすると拡大します。以下詳しく書きます。

クラス1万ユーザーのためのクリーン化ロードマップ

クリーン化の第1歩はクリーンルームを導入しクリーンルーム規格に沿って運用することです。場合によっては歩留に影響するゴミは「目に見える」大きさで微小なパーティクルは関係ないと分かっていることもあります。しかし、それでも現在のところ、他にスタンダードとなりうる規格が見当たらない以上、ここがスタートだと認識しております。
STAGE1 クリーン化の導入
クリーンルーム(ブース)の設置
1)導入企業の
メリット
企業(品質)への信頼が高まる
(クライアント・消費者)

2)このSTAGEでの重要事項 問題となる異物の特定(粒径・種類)
クリーンルームの定義と規格について

3)クリーン機器 陽圧化、クリーン化の導入


4)クリーンルーム
グッズ
クリーンルームグッズの導入
 

5)測定・評価ツール パーティクルの定点観測

クリーンルームを運用しているうちに、クリーンルーム内の清浄度と歩留に相関性がとれないことが判明してくることがあります。クリーンルームにもゴミの発生・持込み・堆積があるからです。そして、それらのゴミがワークに付着することで歩留の低下を招きます。これらの問題はプロセスごとにその原因がありますが、多くのユーザーに共通していることは作業員がその原因となる点です。ですから、作業員教育が重要となります。ポイントはクリーンルーム4原則の理解と遵守。作業員の教育、しかも交差汚染が起こりやすい入室管理が大変重要です。これは「ゴミの見える化」で改善することができます。
STAGE2 クリーンルーム内のゴミの発見
歩留と清浄度の相関性がとれない?
1)導入企業の
メリット
改善・作業員の向上心
問題点の解決へ

2)このSTAGEでの重要事項 クリーンルーム4原則の理解・遵守
クリーンルームの定義と規格について

3)クリーン機器 局所クリーン化、ウエア管理(交差汚染対策)

4)クリーンルーム
グッズ
作業員へのゴミの見える化

5)測定・評価ツール パーティクルカウンターで測定できないゴミの発見
 

STAGE2の対策が進んで来ると気流改善や静電気対策などを採用することで直接的な歩留に影響するゴミの除去が可能となり、クリーン化による効果がはっきり定量的に分かるようになってきます。また、作業員の問題では全員に同じ教育を行っても次第に格差が広がることも多く、対策として「クリーン専任作業員」を置くことをお勧めします。
STAGE3 クリーン導入費用に対する効果UP
直接的な歩留に影響するゴミの除去
1)導入企業の
メリット
歩留の向上
定量的なクリーン化の評価

2)このSTAGEでの重要事項 クリーンルームの改善・定量的な評価方法の確立

3)クリーン機器 気流改善・静電気防止
 

4)クリーンルーム
グッズ
交差汚染対策・クリーン専任作業員の設置(格差対策)

5)測定・評価ツール 付着ゴミの発見・解析
微粒子・ホコリの数値管理ツール
 

さらに進んで、各種制御システムによりゴミの予防が可能になると、ゴミの付着もほとんどなくなると思われます。
STAGE4 より完成されたクリーン化へ
1)導入企業の
メリット
ゴミ付着予防による良品100%への道
フィードバックによるクリーンルーム制御・省エネ運転

2)このSTAGEでの重要事項 予防・予測・事前対策・省エネ

3)クリーン機器  

4)クリーンルーム
グッズ
 

5)測定・評価ツール クリーンルーム監視システム常時監視
微粒子・ホコリの数値管理ツール
 

そのほか、どのSTAGEと特定できないが対策しなければならない事項として、製造装置のクリーン化、梱包資材の見直し、原材料のクリーン化、ツールのクリーン化、洗浄液・薬剤のクリーン化、交差汚染の防止、室間差圧の管理などがあります。
現在のところ、できるだけコンパクトにまとめることに重点を置いて制作しましたので、言い足りないところがまだまだあるように思います。今後もさらにロードマップの完成を目指し、適時追加していきたいと思います。
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