【実験方法と使用機器】 前面に帯電防止ビニールカーテン付き簡易クリーンベンチ(アクリル製フード、W:700×D:500×H:600(mm)、CS-CUTE03A×1台搭載)内にチャージプレートモニターを置き、さまざまな条件での減衰時間を測定しました。 以下に実験に使用した機器をご紹介します。 |
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CS-CUTE-03A搭載 クリーンフード CS-CUTE-03A×1台を搭載した 簡易クリーンフード(クリーンベンチ)です。 搭載CS-CUTEの種類と吹き出し風速による清浄度測定の実験はこちらをご覧ください。 |
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チャージプレートモニター(アナライザー) MONROE ELECTRONICS社製 型式:268A-1T プレート上に一定量の帯電状態を作り、その減衰時間を測定することが出来る装置です。プラスマイナスそれぞれの極性での測定が可能です。 今回は1000V(1KV)を帯電させ、100Vに減衰するまでの時間(秒)を測定しました。※以下減衰時間とはこの時間を指します。 |
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空気イオンカウンター アンデス電気株式会社製 型式:ITC-201A 空気中の正負イオン数をカウントして表示します。測定範囲は10~123万個/cc、サンプリング風量は500cc/秒です。参考までに水道水をシャワーにして500mm程度はなれたところで測定すると数100個、 イオン発生装置付きエアコンから500mm程度離れたところでは約1000個程度でした。 |
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イオナイザー シムコ製 型式:エアロスタット A-300 交流方式のファン付きイオナイザーです。イオンバランス調整回路を内蔵しているので、バランスよく除電することが出来ます。シーズシーの中古品を実験用に使いました。 なお、このイオナイザーは風量調整機能(ボリューム)が付いていますが、実験中は中間位置にセットして使用しました。 |
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イオン発生器(プラス・マイナス) 小型の圧電素子を使ったイオン発生器です。イオナイザーのように調整機能はなく、常に一定量のイオンを発生させています。CS-CUTEの吹き出し口近くにセットしました。発生口より100mm離したところで約30万個/ccのイオンを発生させます。 |
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パーティクルカウンター 型式:KR-12A ※詳しくはこちらのページをご覧ください。 ハンディタイプのパーティクルカウンターです。小型ながら、サンプル試料量や測定回数、インターバルの時間などを設定できるのでこのような実験には最適です。 |
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加湿器 このサイトの実験ではよく気流可視化装置として使用していますが、今回は本来の使い方である湿度を上げるための加湿器として使用しました。 |
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【何も作動させない状態】 はじめはどの装置も作動させない状態つまり、特に静電気対策もクリーンかもされていない状態での減衰時間とイオン量です。この日は雨でかなり湿度が高かったせいか、特に除電しなくても2分程度で100V以下になりました。 |
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【FFUを作動させました】 内部は1~2分で0.5μm以上の粒子をまったくカウントしないクリーンな状態になります。しかし、静電気除去にかかる時間は、心持ち長くなりました。風も静電気を発生させる原因のひとつなので、HEPAフィルターからの微風がやや静電気を発生させやすくしているのかもしれません。特に静電気対策しないクリーンエリアでは、このような状況だと思われます。 |
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【イオナイザーを作動させました】 イオナイザーはクリーンベンチ内でもよく使われる除電方法のひとつです。効果は抜群で数秒で100V以下に減衰します。このとき、パーティクルカウンターとイオナイザーの位置関係は左写真の通りですが、0.5μm以上のカウントはしませんでした。そこで、イオナイザー吹き出し口付近にカウンターを持っていくと0.5μmで約500個/CF程度の発塵でした。クリーンルーム用のイオナイザーではありませんが以外に発塵しません。 |
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【イオナイザーをFFUの外に出しました】 少ないとはいえ、イオナイザーからの発塵があることは確認されました。では、FFUの外に出して吸い込み口付近でイオンを発生させるとどうなるでしょうか? 結果は除電効果はありませんでした。イオンは金属などが近くにあるとそちらに吸収されてしまいます。 |
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【加湿器を作動させました】 イオナイザーを止めて加湿器をONしました。しかし、FFUの風量が多いためか、フード内の湿度はまったく変化がありませんでした。そして、静電気除去にも効果はありませんでした。 |
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【加湿器 ON、FFU OFF】 FFUを停止しました。この状態では湿度が10%上がり70%になりました。減衰時間は大幅に短縮されました。しかし、これ以上湿度が上がると湿度障害も発生しやすくなります。また、FFUはOFFなので当然清浄度を維持することは出来ません。 |
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【イオン発生器+を作動させました】 イオン発生器の+のみONしました。-チャージはかなり速いスピードで除電できますが、+に+では反発しあうだけなので除電は出来ません。 |
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【イオン発生器-を作動させました】 今度はイオン発生器の-のみをONしました。+の場合も-の場合もイオン発生器と逆の極性に帯電しているのであれば、イオナイザー並みの除電能力がありますが、同極性では除電が出来ません。 |
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【イオン発生器を+-とも作動させました】 同時に発生させましたが途中で打ち消しあうのか、単独の場合よりもいずれも除電スピードが遅くなり、イオン数も減っていました。 また、正負のチャージでやや除電にかかる時間が変わってきました。イオナイザーのような調整機能がないために、逆に無駄が発生しているようです。なお、イオン発生器からはパーティクルの発生はありませんでした。 |
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【イオン発生器を+-とも作動、FFUはOFF】 FFUを止めてみました。すると減衰時間はどちらも長くかかるようになりました。一般的に針先から放電する方式ではイオンの寿命は約2秒といわれています。設置位置からチャージャーまでは約45cmですが、この間にもずいぶん失われているようです。 |
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【考察】 今回の実験ではクリーンな状態での除電ということで、いろいろな角度から考えてみました。その中でもイオナイザーは思ったより発塵も少なく効果的でした。多少の発塵があっても構わないのであれば、クリーンベンチにはイオナイザーという組み合わせは正解だと思います。 また、イオナイザーの中にはFFUからの風を利用するバータイプもありますので、こちらは発塵も更に抑えることができます。 (更に針先に付くゴミ対策をしたクリーンルーム用バータイプイオナイザーも各社から販売されています) 問題は、イオナイザーはかなり高価だということです。 今回使用したイオン発生器は実験用のものですが、コスト的にはイオナイザーよりも安く、もう少し、工夫することで実用化の可能性も見えてくると思います。この件はいずれ詳しくご紹介したいと思います。 |
※当実験に使われたCS-CUTEは、NSFの前の名称です。仕様は変わっていません。 | ||||
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