クリーンルーム内には5μmより大きなダストはない??◆パーティクルカウンターでの評価には限界がある。 クリーンルームやクリーンブースの評価は通常、パーティクルカウンターを使用します。対象となる微小なゴミ(パーティクル)は目に見えないからです。ところが、一般的なパーティクルカウンターの最大の粒径は5μm。実は5μm~100μmの範囲も目にはよく見えませんが、この範囲のゴミがあるのか、ないのか、実はパーティクルカウンターではよくわからないのです。 ◆ホコリの対象サイズに適する見える化ツールを選びましょう。 |
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5μmまでの浮遊微粒子なら パーティクルカウンター入門編 |
10μm以上の浮遊粗大粒子なら | 目視で確かめたいなら |
参考資料のページ クリーンルーム規格について シーズシーからのメッセージ(クラス1万ユーザーのクリーン化について) クラス1万ユーザーのためのクリーン化ロードマップ クリーンルームの4原則 |
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◆5μm以上のゴミは堆積する | ||
クリーンルームの目に見えないゴミのうち、本当に厄介なのは1μmに満たないサイズの微小なパーティクルの方です。なぜなら、いつまでも地面に落ちてこずに漂い、人の動きなどにつられてあちこちに巻き込むからです。 ところが、クリーンルーム技術が進歩するとこの微小なサイズのゴミを比較的簡単にコントロールできるようになります。その中心となるのがHEPAフィルター。0.3μm以上のパーティクルを99.97%以上除去します。クリーンルームはこのHEPAフィルターと気流・陽圧・換気などの働きで微小なゴミ取り除くのです。 |
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しかし、5~100μmのゴミは目にはほとんど見えませんが、気流に乗って漂うというよりは落下して堆積していきます。放置しておくといつの間にかクリーンルームの中はゴミだらけになってしまいます。 そして、あるとき、ワークに付着し不良の原因になってしまいます。 |
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◆5μm以上のゴミには掃除が有効 | ||
実はこのことは昔から分かっていたことです。例えば、半導体工場などでは以前から床にゴミをためないように床をグレーチング構造にして床下にゴミを落とすようなつくりが一般的です。また、クリーンルームの4原則として、「堆積させない」「除去する」として戒めています。そして、この大きさのゴミには掃除がもっとも有効な手段なのです。しかし、問題はゴミは目に見えないということです! | ||
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◆5μm以上のゴミは何処から来るのでしょうか? | |||
主なものを箇条書きであげてみます。1.外部からの汚れた空気の侵入、2.作業者からの発塵、3.クリーンルーム内のツール、装置からの発塵(静止時、稼動時)、4.原材料、包装材などに付着したゴミの持込み、発生、5.クリーンルーム内に堆積したゴミの再浮遊 他にも工程やワークの特徴によりさまざまな原因が考えられると思います。 肝心なのは、このうち、クリーンルームで直接対策できるのは項目1のみなのです。 |
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◆クラス1万ユーザーでは5μm以上のゴミの対策の方が重要 | |||
クラス1万のクリーンルームは多くの業界・工程で採用されていますが、共通の特徴として後からゴミを取り除くことが「貼る」「塗る」「印刷する」「蒸着する」「接着する」など出来ない工程で採用されているケースが多いと思います。そして、まさにこの良品率にかかわる大きさのゴミが5~100μmのケースが多いのです。 | |||
5~100μmのダストを見落とすな! | |||
上記の話をまとめてみましょう。クラス1万環境で対象となるようなダスト~パーティクルはその大きさによって3種類に分類できます。1.目に見える大きさ~2.100μmから5μmくらいまでの目に見えない、パーティクルカウンターで測定できない大きさ~3.5μmから0.3μmくらいの目に見えない大きさのゴミの3種類です。一般環境であれば、目に見えるゴミはともかく見えない2.3.ゴミは対処できません。クリーンルームでは、目に見えるゴミに加えて3.の微小なゴミはクリーンルームの機能で除去することが出来ます。しかし、見落としてならないのが5~100μmのダストです。これは清掃という方法で除去しなければ、クリーンルーム自身の力では取り除くことは出来ないのです。 | |||
左図は一般環境とクリーンルームにおけるダスト除去のしやすさを表しています。クリーンルームでは気流によって除去できる5μm以下のゴミ(パーティクル)のほうが容易に減らすことが出来ます。 | |||
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ゴミの「見える化」でゴミを除去しよう! | |||
ゴミの見える化を手助けしてくれるツールが「ポラリオン クリーンルーム ライト」です。このライトは条件がよければクリーンルーム内の約10μm程度のダストまで見ることが出来ます クリーンルームの床や壁、クリーンブースのカーテンに付着したダスト、クリーンルーム中に浮遊するダスト、ワークの表面に付着したダスト、クラックなどのワークの傷、外観不良などを強力に浮かび上がらせます。 今まで見えないためにどうやって掃除すれば効果的なのか、そういう工夫はまったくなく決められたとおりに行うだけしか方法がなかったクリーンルーム清掃を見直すことが本当に簡単に出来ます。 このライトを使ってクリーンルームの清掃のチェックを行いましょう。 ※関連ページ「クリーンルーム清掃確認アプリケーション」もあわせてご覧ください。 |
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左図はゴミの大きさと確認方法の関係をまとめました。クリックすると拡大します。 | |||
ライトは45度程度の角度で当てるとクリーンルームの床や壁、装置、ワークに付着した微小なダストが浮き上がるように見えてきます。 ガラスのように透明なワークでは裏面から当てるのも効果的です。 しかし、反対に凹凸が大きく光を乱反射するような表面の形状のものではよい状態で見ることは出来ません。(人体、サンドブラストをかけたもの、顔料の入ったプラスチック、塗装されたものなど) |
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ゴミの「見える化」でゴミを除去しよう! | |||||
ポラリオンライトを使って、掃除方法とその効果を実際に確認してみましょう。 【実験方法1】 サンプルとして、クリーンルームの床材に使用される導電性塩ビマットの端材を用意し、一般環境に放置してゴミをつける。以下の3種類の方法で清掃しゴミの除去効果を確認する。 1.クリーンルーム用粘着ローラー ※1方向に軽く押して転がす。 2.掃除機(一般環境用) ※ノズルは毛落ちしない、スキマノズルを使用。 3.ニット製クリーンルームワイパー+工業用アルコール ※1方向に軽く押して集める。 ※この実験は(クリーンルームでない)一般環境下で行いました。 ☆関連ページ 「クリーンルームの清掃確認アプリケーション」 はこちらです。 |
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【実験の結果と考察】 ライトを点灯すると今まで見えなかった表面に付着したゴミ・ホコリがくっきりと浮かび上がります。そこで、それぞれのツールで掃除したあとに再度ライトで照らしてみました。 まず、粘着ローラー。きれいに除去できました。ローラー後の写真ではほとんどホコリは残っていません。次の掃除機は逆にほとんど取れていないようです。ノズルに無理があるのでしょうか?最後にワイパーでもほとんど除去できました。ただし、ローラーとワイパーの違いはワイパーの場合、寄せて最後のふき取りをうまくしないと、そこにホコリが残ってしまうことです。また、雑巾がけの要領で左右に振ってしまうとダストは左右にかなり残ってしまいました。ローラーのほうの問題点はある程度ダストが付くと粘着力が落ちてしまうはずなので適切な時期にめくる必要がある、ということです。また、表面形状に凹凸が多いと取れにくいと思われます。 いずれにしても掃除の結果をポラリオンライトにより「見える化」することでより効率よくクリーンルームを清掃するための工夫・改善も容易に出来るようになると思います。 |
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